2025年12月改正 説明会でのQ&A

目次

  1. 逐条内容について
  2. その他

 

【1】逐条内容について

(1条)
Q1. 第1条総則(6)で電子情報処理・・・が追加されましたが工事契約書の約款送付はPDF等ではNGでしょうか(複製不可でもあり) すべて電子上の手続きで済む方法はありますでしょうか
A.当委員会発行の各種約款には著作権があり、無断での複製は一切認めておりませんので、各種約款の送信等のためのPDF化なども不可です。不正な利用が判明した場合には、法的措置を講じさせていただく場合もございますので、十分ご留意ください。当委員会にて、電子契約に対応する電子化約款を前向きに検討いたしておりますので、そちらをお待ちください。
Q2. 第1条(6)書面のかっこ書き内「ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければならない」とあるが、これに準じないものの具体例を教えてください。
A.具体的には示せませんが、内容の改ざんが容易なもの、内容の閲覧・提示・保存が難しいものなどは、書面の交付に準じるものとは認められないと考えております。
Q3. 第1条 総則(6)に「~その他の情報通信の技術を利用する方法~」とありますが、これをもって電子契約と解釈してもよろしいでしょうか。
「電磁的方法による場合を含む」と明記する変更が、今後行われる可能性はありますか。
A.この条項は、契約締結後の当事者間の指示、指図、承諾、協議等を電磁的方法(電子メール等)で行うことを認めたものであり、電子契約などの契約締結方法に関する条項ではありません。
(1条の2)
Q4. 第1条の2 o「不可抗力」のところのご説明で「外国で起きたことも含む(?)」というようなご発言があったように聞こえたのですが、この点についてもう少し詳しくご解説いただけませんでしょうか。
A.外国で発生したテロ、暴動等であっても、それによって、サプライチェーンに影響が出る等して、契約の履行に支障等が発生するような場合は、本約款に定める「不可抗力」に該当する場合があり得ると考えられます。
(4条)
Q5. 第4条は、建設業者(ゼネコン)にはかなりの負担と考える。(下請業社にも負担)
標準約款と同じではあるが、建設業法では努力義務だと思います。
なぜ七会約款は努力義務にしなかったのか? 対応にはかなりの時間が必要と考える。
そもそも標準約款のまるうつしなら七会約款の意味がないのでは?
A.コミットメント制度は、労務費や賃金の支払いの実効性確保の取組として重要な仕組みであり、国土交通省も、多くの請負契約において導入されるよう、活用促進に取り組んでいくとしていることから、当約款においても採用しました。
Q6. 第4条(2)について、内訳項目における「建設業退職金共済契約に 係る掛金は、実情として工事受注段階では詳細な把握が難しい場合があると 聞いているが、運用においてどの程度の精度で取り込む必要があるのか?
A.請負代金内訳書の運用上の精度については、基本的には、各社の判断になるものと思いますが、国土交通省が令和7年12月に作成した「『労務費に関する基準』の運用方針」が参考になると思います。
Q7. 建設業法第20条第1項では、見積書に記載すべき項目はあくまで努力義務となっていますが、改正七会約款4条(2)の規定で明示を求めていることとの関係(=明示しなかった/できなかった場合の取扱い)はどのようになりますでしょうか。
A.本約款において、本条に違反した場合の契約解除等の規定は設けていませんので、本条違反によって、直ちに発注者側に解除権や損害賠償請求権が生じるものではありませんが、事情によっては、債務不履行としての一定の法的効果が発生する可能性はあります。
Q8. 材料費や労務費他の明記は具体的にどのように表示させるのか? また材料費や労務費他A)賃金を支払った旨の契約書やb)労務費の支払部分の写しとは具体的にどのようなものをイメージしているのか?業界全体での統一見解はあるのか?
A.請負代金内訳書の表示方法については、国土交通省が令和7年12月に作成した「『労務費に関する基準』の運用方針」が参考になると思います。本約款第4条の2第4項Aの誓約書は、受注者がその雇用する技術者に適正な賃金を支払ったことを宣言した書面です。同項bの写し等は、下請負人との「契約書の写し」の労務費が表示された部分や、契約書に請負代金額の総額のみが記載されるなど労務費の表示がない場合は、労務費を内訳明示した請負代金内訳書などを想定しています。
(4条の2)(コミットメント条項)
Q9. 第4条の2(4)について、発注者の請求に応じて受注者と下請負人との間の契約書の本条(3) bの支払いに関する部分の写し、となっていますが、下請人との契約においても、労務費を明確にした契約としないといけないのか?また「支払いに関する部分」とは契約書なのか?支払いをした証明として請求書等なのか?
A.下請負人との「契約書の写し」の労務費が表示された部分や、契約書に請負代金額の総額のみが記載されるなど労務費の表示がない場合は、労務費を内訳明示した請負代金内訳書などを想定しており、請求書等は想定していません。
Q10. コミットメント条項とは、どのような内容ですか?
A.コミットメント条項の一般的な概要は、国土交通省が令和7年12月に作成した「『労務費に関する基準』の運用方針」(方針57~71)等をご参照ください。本約款のコミットメント制度に関する条項は、第4条及び第4条の2です。
Q11. コミットメント条項を悪用されオープンブックのように原価が明らかにされる懸念があるがどのように対処すれば良いか。
A.発注者の書面提出請求は、「適正な労務費の確保等のためその他必要があると認められるとき」に「理由を付して」行う必要がありますので、要件を満たしているか確認するとともに、理由も踏まえて、過度な負担とならない合理的な方法・範囲・時期について、契約当事者において適切に協議されることが望ましいと考えられます。
Q12. 第4条の2のコミットメント条項について、影響が大きい条項であり標準約款でも任意の条項とされていますが、民間約款では任意の条項とはしなかった点について、改正の議論にあたって任意の条項とする案は出なかったのか、最終的に任意の条項としなかった決め手を教えていただきたいです。
A.コミットメント制度は、労務費や賃金の支払いの実効性確保の取組として重要な仕組みであり、国土交通省も、多くの請負契約において導入されるよう、活用促進に取り組んでいくとしていることから、本約款においても採用しました。
Q13. 第4条の2において賃金を支払った旨の誓約書、支払に関する部分の写しは具体的にどのようなものを想定されておりますでしょうか。(フォーマット等は用意されますか。)契約書の該当部分の写しと技能者から受領した誓約書をセットにしてきちんと支払いを行っていることが証明されるという理解でよろしいでしょうか。(あくまで発注者から求めがあった場合) 普段の契約の中では技能者まで適正労務費・賃金のきちんと支払いが行われているかはどのように確認して備えておけばよいのでしょうか
A.本条第4項の提出書面等について、フォーマット等は用意しておりませんが、国土交通省が令和7年12月に作成した「『労務費に関する基準』の運用方針」が参考になると思います。なお、同項Aの誓約書は、技能者から受領したものではなく、受注者がその雇用する技術者に適正な賃金を支払ったことを宣言した書面です。また、本条第3項の支払いの対象は、受注者が雇用する技術者、受注者が直接契約を締結する下請負人です。
(9条)
Q14. 監理者 第9条 (1)k. 出来高払又は完成払の請求書を「技術的」に審査すること 「技術的」の定義を教えて下さい
A.「技術的」の定義はありませんが、たとえば、その時点の工事の状態と請求書記載の項目や数量が一致しているか否かやその時点での単価の状況などの確認が該当すると考えています。
(12条)
Q15. 第12条(4)(5)について、迷惑行為を行った場合(1)(2)を理由とした措置請求もできるようにも思いましたが、迷惑行為の場合は(1)、(2)にはあたらないということになるのでしょうか
A.(1)(2)は「工事の施工又は管理について著しく適当でないと認められる者があるとき」となっており、「工事の施工又は管理」に関する行為を指していますので、当該従業員等の要求又は言動が、正当な理由がない過度な要求、暴言その他の社会通念上許容される範囲を超えた言動(以下、「迷惑行為」という。)である場合は、(4)(5)にも当たると考えます。
(請求権について))
Q16. 今回の改正で(受注者の)請求権が確立されたとのことですが、これにより発注者に請求を受け入れる義務(債務)が自然に発生するという理解でよろしいでしょうか?
A.今回の改正で、受注者の請求権が初めて発生したというわけではなく、従来から請求権として規定していたものを、文言上、明確にしたということです。
Q17. 「求めることができる」が「請求することができる」 に変更されたのは、今回の改正で請求権となったのか、従来から請求権だったがこの点を明確にしたのか、どちらでしょうか。
また、発注者は、受注者からの「請求」という表記を嫌う傾向にありますが、改正に至る議論の経緯を教えて下さい。
A.従来からの請求権を明確にしたものです。「求めることができる。」について、単に求めるだけで、それを認めるか否かは発注者の権利と誤解されないよう明確に受注者の請求権であることを表したものです。
(28条)
Q18. 委員会HPの講習会でのQ&A第28条内に、変更請求権の法的性質について記載がありますが、今回の改正により、当該Q&A記載の内容から 変更があれば教えてください。
A.変更は有りません。
Q19.第28条6項における協議長期化に関して、「受注者の責めに帰すべき事由」に該当する場合は、どのようなものを想定しているか。
A.本条は「正当な理由があるとき、それを発注者に明示して工期の延長を求めることができる」としており、受注者が工期の延長を申し立てるだけで、正当な理由を速やかに発注者に明示しない場合が典型的な例と思われます。
Q20. 「求めることができる」を「請求することができる」と変えたところは、理由がよくわかりましたし、よい変更だと思いますが、 第28条(2)の「発注者は、必要によって・・・工期の変更を請求することができる」との文言については、他の「請求することができる」となっている条項とは異なり、「要件」が何ら定められていないため、「権利性を明確にするため」との説明は当てはまらないと思いますが、この点はどのように理解すればよいでしょうか?
(理屈としては、たしかに第28条(2)まで「請求することができる」とするとおかしいのだが、主語が「発注者」である文言だけ違う表現とすると目立ってしまうため、やむなく他の部分とそろえたということでしょうか?)
A.発注者の工期変更権を規定したもので、他の条項の変更の趣旨と変わりはありません。
Q21. 第28条(7)及び第29条(3)において、「当該申出が根拠を欠く場合、その他正当な理由がある場合を除き、協議に応じるよう努めるものとする」となっており、努めるとは義務ではなく、努力義務です。
なぜ「協議に応じなければならない」としなかったのでしょうか?
A.建設業法第20条の2第4項に合わせた規定としています。
Q22. 改正約款第28条(6)”協議の開始”はどのような協議のイメージでしょうか。また受注者の責めに帰すべき事由とはどのようなものを想定されているのでしょうか。
A.「協議の開始」の「協議」とは、本条本項で規定されている例示に限られず、解決されなければ工期の変更に影響を及ぼすような事象についての協議という意味です。また、「受注者の責めに帰すべき事由」とは、受注者が工期の延長を申し立てるだけで、正当な理由を速やかに発注者に明示しない場合が典型的な例と思われます。
Q23. 「協議」の申し出を明記されたが、「協議に応じさえすれば良いのだろう」と解釈する発注者が少なからず存在する。公共約款では協議が調わないときの定めが置かれているが七会約款では協議不調時の対応をどう考えているか。
A.発注者との協議が不調になった場合でも、受注者としては、本約款の条項に基づき、請求権を行使することができ、請求権の存否・内容に当事者間で争いがあれば、第34条(紛争の解決)に基づき解決を図ることができます。
Q24. リスク情報通知について、改正約款では通知の有無にかかわらず、変更請求できると整理されているが、実際には通知がなされない場合に、発注者が変更に応じない(交渉が難化する)ことが考えられる。具体的にどのような情報をどの程度の精度で、契約締結前にリスクとして通知すべきか、例示が欲しい。
A.受注予定者から発注者に対するリスク情報の通知については、契約締結前の行為であり、本約款で具体的例示については規定しておりません。国土交通省作成の「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」等をご確認ください。なお、同ガイドラインに「工期又は請負代金の額に影響を及ぼす事象であって建設業法第20条の2第2項により事前に受注者から発注者に通知していないものが契約締結後に生じた場合であっても、通知されていなかったことのみをもって発注者が受注者から申し出られた契約変更協議を拒む理由にはならず、通知された場合に準じて誠実に協議に応じることが求められる」旨記載されていることも踏まえ、本約款では通知の有無にかかわらず請求権の行使や協議の申出ができる規定としています。
(29条)
Q25. 第29条(1)eの新設条項について、「資材の価格の高騰その他の請負代金額に影響を及ぼす事象」とありますが、こちらはf、g 同様、価格の下落があった場合も、「請負代金額に影響を及ぼす事象」であるとして、請求及び協議対象となるという理解でよろしいでしょうか。
A.第29条(1)eの新設条項では、請求権の行使及び協議の申出の対象を 「建設業法20条の2第2項に定める資材の価格の高騰その他の請負代金額に影響を及ぼす事象」としています。
建設業法の同項は「主要な資材の供給の著しい減少、資材の価格の高騰その他の工期又は請負代金の額に影響を及ぼすものとして国土交通省令で定める事象」と定めており、これを受け、同施行規則第13条の16第2項で、事象につき「主要な資機材の供給の不足若しくは遅延又は資機材の価格の高騰」及び「特定の建設工事の種類における労務の供給の不足又は価格の高騰」であつて「天災その他不可抗力により生じるもの」と定めています。
したがって、「価格の下落があった場合」は、同項f又は同項gで請求権の行使及び協議の申出を行なうことでの対応が考えられます。
Q26. 「誠実協議の努力義務」とはどのような対応をすることまで求められているのでしょうか?
A.本約款の「誠実協議の努力義務」は、建設業法第20条の2第4項と同趣旨の規定です。建設業法の同項の趣旨等に関しては、国土交通省作成の「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」をご確認ください。同ガイドラインでは「受注者から申し出られた契約の変更協議は、契約変更の必要性や変更の内容、変更すべきとする根拠について十分に協議を行うため、発注者はまずは協議のテーブルについたうえで、変更の可否について受注者に説明する必要がある。したがって、受注者から申し出られた契約の変更協議の開始自体を正当な理由なく拒絶することのほか、申し出後に合理的な期間以上に協議開始をあえて遅延させることや、協議の場において一方的に受注者の主張を否定したり、十分に当該主張を聞き取ることなく一方的に発注者の主張のみを伝えて協議を打ち切ること等は、誠実に協議に応じるよう努めなければならないことを定める建設業法第20条の2第4項の趣旨に反するものである」等とされています。
Q27. 第29条(1)gについて、契約締結から1年以内であれば、請負代金が適当でなかろうと発注者は請負代金の変更協義に応じる義務はないという理解でよいのでしょうか。
A.第29条(1)gスライド条項を根拠にした変更協議の義務はありませんが、本条の他の号に該当すれば誠実協議の努力義務が生じるものと思います。
Q28. 第29条1項の各号に該当するかどうかは、各当事者が判断するのではなく、 客観的に判断される、という理解で良いか
A.その通りです。
Q29. 第29条(1)g.「未履行」の定義を教えて下さい。 既存解体12ヶ月~新築工事の場合等
A.契約に基づき実施される工事のうち、契約締結から1年後時点で未だ履行されていない部分を指します。
Q30. 第29条等で「請求できる」とされていたものが、「請求できるとともに、変更に係る 協議を申し出ることができる」と変更され、この協議については発注者が努力義務とされていることから、実質的に受注者の請求権がレベルダウンしていませんでしょうか? 実際に「請求する」といっても協議を一切しないことは実務上ないため、その点につき、 追記の意図について実務上の観点も併せてご教示いただけますと幸いです。そもそも 「請求できる」の意味合いについても改めてご教示いただけますと幸いです。
A.請求権の法的性質に変更はありません。実務上は、当事者の協議により解決されることが多いことから、請求権の行使に加え、協議の申出と協議に応じる努力義務に関する規定をオプションとして追加したものです。
Q31. 改正約款第29条(2)Aの新設条項について、 「適切な~、この工事に係る価格等の変動内容その他の事情等を考慮するものとする」とありますが、この条文に基づいて相手方に対して協議申入れや請求する権利は発生しますか。
A.本項により請求する権利が発生するというものではなく、あくまでも請負代金額の変更を行うときの考慮事項を定めたものです。
(31条の3)
Q32. 第31条の3(1) l トですが、チに合わせるなら ト.下請負人又は資材、原材料の購入契約その他の契約に当たり、そ(削除)の相手方が・・・。 原文ですと、「・・・に当たり」の部分が浮いてしまっているように思いますが、いかがでしょうか。
A.ト.は契約締結前を想定して「契約に当たり」と表記していますが、チ.は契約締結後を想定しているため同表記を省いています。

【2】その他

Q33. 大手デベロッパーから「七会約款はゼネコン側が作った約款なので業者有利とされており採用できない」と実務上言われることが多いが事実か。
A.本約款は、日本建築学会、日本建築協会、日本建築家協会、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会といった建設業者団体ではない団体を含む諸団体から選出された委員に加え、法律の専門家等も交えた委員会メンバーによる調査と対等な立場にたつ合同討議によって作成、改正されています。
Q34. リスク情報(おそれ情報)の通知について、推奨される書面様式はありますか? 又、契約書に添付した方が良いでしょうか?
A.おそれ情報の通知に関する書面様式の用意はございません。 おそれ情報の通知は、契約締結の前(通常は見積り段階)に通知することになります。 なお、本約款ではおそれ情報の通知をする、しないに関わらず、請求権の行使や協議の申出ができる規定としています。
Q35. 講習で使用したスライドの資料は配布されるのか
A.スライド資料の配布予定はございません。 今後、講習会の開催を予定しております。
Q36. 電子化の予定はありますか
A.電子契約が進んでいる現状を踏まえ、また、電子契約への対応についての要望も多く寄せられていることから、電子契約に対応する電子化約款を前向きに検討いたしております。 詳細は決まり次第、約款委員会HPにてお知らせいたします。
Q37. 電子的方法での契約も可になるが、民間約款も PDFデータで契約書を添付して、契約できるか?
A.当委員会発行の各種約款には著作権があり、無断での複製は一切認めておりませんので、各種約款の送信等のためのPDF化なども不可です。不正な利用が判明した場合には、法的措置を講じさせていただく場合もございますので、十分ご留意ください。当委員会にて、電子契約に対応する電子化約款を前向きに検討いたしておりますので、そちらをお待ちください。

 

 

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