建築工事は、工事中に設計変更や追加工事などをはじめ、契約書の本体には盛り込めないようなさまざまな事態が発生することが多いものです。このような事態に適切に対処するためには、できるだけ公正なルールをあらかじめ入念に検討して条項の形に整備しておき、契約当事者がこのルールにしたがって対処し行動することを工事請負契約の条件にすることが必要です。
こうした条項は相当の数になりますので、その間に矛盾などが生じないように条項集として整備し、多くの建築工事に共通に使える形にしておき、これを契約書に添付することが比較的早くから行われてきました。こうした条項集は一般に約款(やっかん)とか契約約款と呼ばれていますが、建築工事の場合は建築工事請負契約約款と呼んでいます。
現在では建設工事請負契約のための契約約款が数多く作成され、一部は市販され、建築工事の契約に使われております。しかし、約款はただ添付しておけばいいのだろう、という安易な考えで使われることも多く、これでは問題が生じたときにかえって誤解や弊害をおこしかねません。
契約の両当事者(建築主と請負者)および監理者(建築主を代理する立場に立ち、かつ工事監理者としての義務を果たす建築士または建築士事務所)が約款の内容を検討して選定し運用していくことが望まれます。こうした観点から、工事請負契約約款の意義やその重要性を広く理解していただくための一助になることを念願してホームページを開設いたしました。
私どもは、立場を異にする4つの団体の連合協定によって大正時代後期に制定され、昭和、平成を通じて改正を重ねてきた旧四会連合協定の工事請負契約約款を引継ぐものです。現在は建築界内のさまざまな立場を代表する7団体から選出された委員が、その内容の検討・討議を行っている常設の連合委員会です。
このホームページは、民間の建築工事の契約当事者となる建築主(発注者)や請負者の方々はもちろん、設計者、監理者、施工者として建築工事にかかわる建築士の方々、そして建築に関心を持たれている多くの方々に広く工事請負契約約款の重要性を理解していただき、あわせて私どもの活動の一端を知っていただくことを意図したものです。みなさま方のご理解とご助言をいただければ幸いであります。
2008年11月
民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款委員会 委員長 江口 禎




